私の名はミミ〜Mi chiamano Mimi〜 ミミ

はい。
みなは私をミミと呼びます。
けれども私の名前はルチアなのです。
私のお話は簡単ですわ。
私は家や外で
麻や絹に刺繍をしています。
心おだやかでしあわせで、
百合やばらを作るのが慰めになっているのです。
私は優しい魔力を持っていて
愛や青春について話してくれるもの、
夢や空想について話してくれる、
つまり詩という名を持っているもの、
それが好きなんですわ。
おわかりになって?


みなは私をミミと呼びます、
なぜだか知りませんけど。
私はたった一人で
自分の食事の用意をします。
いつもミサに行くというわけではありませんが、
神様にはよくお祈りをしますわ。
私は一人で、一人ぼっちで
あちらの白い小さなお部屋に暮らしています。
屋根の上と空をながめながら。
でも雪がとけるときがくると
最初の太陽が私のものなんです。
四月の最初の接吻が私のものなんです!
最初の太陽が私のものなんです。
鉢の中では、薔薇のつぼみが花開き、
その花びらの一枚一枚のかおりを、吸い込むの!
花のかおりは、なんて素敵なんでしょう。
でも私の作る花は、ああ!
私の作る花は、
ああ!かおりを持たないのよ。
私について、他にお話しすることはないと思いますわ。
こんな変な時間に
ご迷惑をかけにくるお隣なんです。

参考:ビクター株式会社 トスカニーニ/プッチーニ:歌劇「ボエーム」全曲 対訳リブレットより〜
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