なんて冷たい手〜Che gelida manina!〜 ロドルフォ

なんて冷たい小さな手
私に暖めさせて下さい。
探してなんになるんですか?
こんな暗闇では見つかりっこありません。
でも幸いなことに
今晩は月夜で
ここに、私たちのそばに月がいるのです。
待って下さい、お嬢さん、
私が誰で、何をして、どう生活しているか、
ひと言で説明する間だけ。
よろしいでしょうか?

私は誰でしょう?私は詩人です。
何をしているかって?書いているんです。
どう生活しているのかって?生きているんです。
私の楽しい貧乏の中で、愛と詩と歌を、王侯のように
惜しみなく費やしていきます。
夢と空想と空に描くお城のおかげで
私は百万長者の魂を持っているのです。
ときどき私の宝石箱から
二人の泥棒が宝石を全部盗んでしまうのです。
美しい目という泥棒が。
たった今も、あなたと一緒に入ってきて
私のいつもの夢
私の美しい夢は
即座に消え失せてしまいました。
しかし盗まれたことは、少しも悲しくありません。
なぜかって、なぜかっていえば
そこは、優しい希望の住処になったからです!
さあこれで私のことがおわかりになったのだから
あなたが話す番です。話して下さい。
あなたは誰ですか?よかったら話していただけませんか?

参考:ビクター株式会社 トスカニーニ/プッチーニ:歌劇「ボエーム」全曲 対訳リブレットより〜
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